HEROS(4382)の株価を分析する~頭脳ゲーム領域で世界のAIトップランナー~
今日はHEROSという会社を分析します。
AI(人工知能)がプロ棋士に勝った!といった記事が世間をにぎわせた事がありましたが、頭脳ゲーム(将棋、チェス、囲碁など)の世界の進歩はすさまじいものがあります。
もくじ
1.HEROZとはどのような会社か?
2.どのような人が開発に携わっているのか?
3.BtoBによってできる事
4.主要株価指標でみるHEROZ
5.HEROZの将来展望とまとめ
1.HEROZとはどのような会社か?
2018年4月に上場と比較的新しい会社です。
社員数は46名と少ないですね。
ビジネスモデルとして、BtoB(企業から企業へ)とBtoC(企業から消費者へ)の二つに分かれています。
BtoC :”将棋ウォーズ”を代表するAI系のゲームアプリを消費者に提供しています。
*チェスや囲碁などその他にも多数。
BtoB : 将棋のAI技術をビジネスの世界に活用した商品を提供しています。
具体的には、企業からデータを提供してもらい、専用の人工知能を提供するというものです。
2.どのような人が開発に携わっているのか?
CEOの林 隆弘さんは早稲田大学卒業の経歴で将棋アマ6段(当時のアマ最高位)であり、全国大会で優勝するほどの腕前です。
申し分のない才能の人がAI将棋を作っていますね。
コンピューターがプロに勝ったからどうなの?っといった意見も当時はありましたが、その先の活用法を着々と生み出しています。
3.BtoBによってできる事
現在以下のビジネス領域を手掛けています。
建築 : 構造設計支援
金融 : 投資サポート
エンタメ : 頭脳ゲーム
メディア : 解約者予測(アプリなどを退会する人)
人材 : 求職者と企業のマッチング
その他 : 不動産収益管理、物流最適化、販売予測
素晴らしい商品があっても最先端技術は嫌疑の目で見られるものです。
手をつける企業は限られています。
HEROZについては、竹中工務店、マネックス、SMBC日興証券、バンダイナムコ、コーエーテクモゲームス、アイリスオーヤマといった名だたる企業が顧客に名を連ねています。
4.主要株価指標でみるHEROZ
売上
上場後、着実に売上を伸ばしています。
ニュースでは人件費の増加・サーバーの拡張などの設備投資が負担になっているといった記事がならんでいますね。
後は、順調に見えて、コロナの影響でBtoBは営業がかけずらく伸び悩んでいるとのことです。

ROE
物凄い急降下です。
とても優秀な数字を出している事から設備投資、人件費の影響を飲み込めるかがポイントですね。
現時点で有利子負債0円、自己資本比率97.7%と堅実な経営をしていますので急に墜落ということもなさそうですが・・・。

一株益
ロケットのように打ち上げられたのが、急降下しています。
頂点の80円をとりPERが20倍であると想定すると株価は1,600円です。
丁度、今の株価くらいですね。
株価が墜落した今も現時点の数値だけ切り取ると割高です。

BPS
株価と比較すると見劣りしますが、堅実な雰囲気が伝わっていきます。

5.HEROZの将来展望とまとめ
上場後12,000円を付けた株価が1,900円まで下がっています。
バックには名だたる企業がついており、堅実な経営をしているので魅力的な会社に見えます。
しかし、AI技術も今や開発が簡単になってきているようで、続々とライバル企業が参入してきていますね。
以前、以下の記事で紹介したラキールなんて最たる例でしょう。
ラキール~新規上場 DXの波をとらえクラウドサービスの王者となるか~
こちらはバックに財閥系企業ががっちりついており堅牢です。
現時点ではすみ分けができてはいるようですが、今後ばちばちとシェア争いが繰り広げられる事が予想されますし、成長を加速させるうえでは海外の市場も視野に入れたいものです。
ITエンジニアの引き抜き競争は激しいと良く聞きますが、コストの壁も高くなってくる事でしょう。
健全経営も大事ですが、今後、高額な経費を使い広告をうち認知度を上げていく事も必要となるでしょう。
もう少し、買いやすい株価であればよいのですが・・・。
元々の期待値が高いだけに化けた場合を考えると、判断が難しい株価ですね。
*株式投資は自己責任です。投資判断は十分に注意して行って下さい。