スター・マイカHD(2975)の株価を分析する ~中古マンション投資のリーディングカンパニー~
世界的に株価が異常と言われながら上昇していますが、
マンション市場も同様に価格が高騰していますね。
オリンピック景気がきているのか?きていないのか?全く実感が湧きませんが、
そんな中、中古マンション市場を主戦場として活躍する、
スター・マイカHDを分析したいと思います。
目次
1.スター・マイカHDの商品とサービス
2.水永社長という起業家
3.スター・マイカHDの強み
4.株価と主要指標
1.スター・マイカHDの商品とサービス
中古市場を主戦場とする総合不動産ベンチャー企業です。
設立は1998年とさほど古くはありません。
大きく分けて“インベストメント事業”と”アドバイザリー事業”の二本柱です。
インベストメント事業として・・・
優良中古マンションを最低限のコストでリノベし販売する事業。
・主に賃貸中の状態のマンションを購入し、賃貸中の間は賃貸収入を得ます。
・入居者が退去後、リノベーションを行い、付加価値を付け販売します。
アドバイザリー事業として・・・
中古マンションに特化したアドバイザリーサービスを行っており、
一般的な不動産屋として売買仲介やマンション管理も行っています。
具体的には以下のサービスを行っています。
・富裕層向け投資助言
・不動産運用マネジメント
・不動産投資コンサルティング
・賃貸管理
・リノベマンション売買仲介
![spacious kitchen with modern furniture and dining area decorated with exotic plants](https://i0.wp.com/kclaboratory.com/wp-content/uploads/2021/06/pexels-photo-6283960.jpeg?resize=1140%2C761&ssl=1)
2.水永社長という起業家
よくあるビジネスモデルのようにも見えますが、
20年という短期間で物件ストック日本一の座についており、
ポーター賞を受賞したり、起業家を育てるべく大学など各所でそのビジネスモデルは評価を受けています。
そうなると、社長はどのような人かが気になります。
水永 政志さんという方が社長です。
三井物産出身ですが、長らく経理畑に就いていたそうです。
しかし、海外思考が強かったことから、常日頃からて海外向け事業に関わる方法を模索していたそうです。
その結果、ボストンコンサルティングという会社に転職しています。
ここで、資産運用コンサルティングの仕事をしていますが、
一年以内にノルマを達成しないと、即クビといった、
日本では考えられない厳しい環境下で結果を出します。
ここまでの課程で経理力、資産運用コンサルティングの知識、
営業力、ビジネスモデルのビジョンが固まったのではないでしょうか?
一年以内にアメリカで日本人が結果を出すというミッションは並大抵の行動では達成できません。
企業人としての強い力を持っている事がこのストーリーからうかがえます。
3.スター・マイカHDの強み
本業の中古マンション売買ビジネスにおいては、
安く買って、賃料収入を得ながら、コストを抑えたリノベで高く売るというビジネスモデルはある程度の在庫を持たなければ回転率が上がらないので、
新規参入にはそれなりの時間を要します。
しかし、中古マンション市場が活況を見せており、在庫自体が減ってきている事から、
大型の新規参入はハードル有といった状況です。
アメリカでの資産運用コンサルティング経験を日本に適用し、
富裕層向けへの投資助言というビジネスモデルは、
在庫を多く抱えるスター・マイカにとって相性の良いです。
多くの在庫の中から、入居者が退去しリノベが完成した優良な物件を紹介する事ができるからです。
その商品を持っているのはスター・マイカだけですからね!
また、元はベンチャー企業というだけあって、新しいビジネスにも敏感です。
多くの企業と協業、出資、コラボを行い、さらに中古マンションの買い方の新しい形を提案しています。
・SELEC : 中古・リノベーション住宅プラットフォーム運営
・ママリ:ママ向けNo.1 アプリ
・tsukuruba inc. : 中古・リノベーション住宅流通プラットフォーム
・アニコム損保:ペットオーナー向け商品・サービスの提供を開始
・bookee:お金のパーソナルトレーニングサービス提供(出資)
・SQUEEZE:民泊・マンスリーマンションの提供を開始
・bitFlyer:ビットコインでマンションを購入できるサービスを提供
・レントクリップ:借上げ保障サービス
・あんしんリースバック:自宅マンションに住みながら売却による現金化が可能なサービス
・WhatzMoney:リノベーションマンション検討者の住宅ローン選び支援
多くの場合、不動産屋とは人生で一度の付き合いとなりがちですが、
二度、三度と利用してもらえるようにマンション関連のプラットフォームを拡大していますね。
くふうカンパニーにどこか似た匂いがします。
4.株価と主要指標
株価
現在の株価は1,120円(6/7)です。
持ち株会社に移行するに際し、上場し直しているので、
情報は少ないですが、ここ二年の傾向は下降傾向です。
![](https://i0.wp.com/kclaboratory.com/wp-content/uploads/2021/06/image-17.png?resize=498%2C294&ssl=1)
売上
売上は右肩上がりです。
保有物件が増えた分だけ賃貸料が入ってくるので、
売上は増えるビジネスモデルとなっています。
売上が395億円に対し、時価総額が206億円ですので、
売上だけで見ると株価は過少評価されています。
![](https://i0.wp.com/kclaboratory.com/wp-content/uploads/2021/06/image-18.png?resize=481%2C288&ssl=1)
ROE
素晴らしい値を出しています。
但し、下降傾向になっているのが気になります。
不動産市場の価格高騰に伴い、利益率の低い物件が増えてきた事が一因でしょうか?
![](https://i0.wp.com/kclaboratory.com/wp-content/uploads/2021/06/image-19.png?resize=480%2C288&ssl=1)
一株益
一株益も下降傾向です。
但し、株価と比較する限りはまだまだ割安感はあります。
2,000円位は期待してよさそうです。
![](https://i0.wp.com/kclaboratory.com/wp-content/uploads/2021/06/image-20.png?resize=481%2C289&ssl=1)
BPS
回復基調です。
手持ち不動産の資産価値が増えてきたのでしょうか?
株価と比較する限り、適正範囲です。
![](https://i0.wp.com/kclaboratory.com/wp-content/uploads/2021/06/image-21.png?resize=480%2C288&ssl=1)
5.まとめ
国内中古マンションプラットフォーム事業のパイオニアと言っても過言ではない会社です。
但し、足元の不動産市況が新築マンションの供給が減り、
宅建業者が中古マンションリノベ市場に参入し、マンション価格の高騰と、
在庫不足がすすんでいるようです。
しかし、そこはスター・マイカHD!日本一の物件ストックを抱えていますので、
購入と販売のバランスを適正に保つ事により、近々の状況はしのぐ事ができそうです。
今後の株価上昇余地は十分にありますが、海外進出が難しいと予想されることから、
おすすめ度は以下の通りです。
おすすめ度:★★★☆☆(★五つが最高)
*株式投資は自己責任です。投資判断は注意して行って下さい。