東北電力の株価が上昇する?(東北経済最大の企業)
東北電力が赤字に転落し、株価が75円も落ちた。
株式配当は無配となった。
正直、この企業に成長性は望めない事から安定性だけが光っており、高配当を出し続ける事だけが売りのような企業であるため、無配となった今、この企業の株式価値は地に落ちたといった評価だ。
しかし、インフラ系であり、電力料金の引き上げがある程度自由にできるため、いずれ回復するのは間違いないだろう。
燃料の調達コストの増加も延々と上がり続けるわけではないし、増加分は消費者が払うべき責務だ。
つまるところ、下げに下げた株価はいつかは復活する事が期待される。
総裁選に絡めて、電力系企業の命運に関わるニュースがちらほらと聞こえてきましたね。
キーワードは「脱・原発」「脱・炭素」「科学技術とセキュリティ」といったところです。
脱・原発を叫ぶことはクリーンなイメージを世論に植え付ける事ができますが、最先端技術を守る事は今後の日本経済の成長にも関わってくる問題です。
脱・炭素という意味ではよりクリーンなエネルギーが求められてきますが、クリーンなエネルギーは生成・管理コストがとてつもなく高いです。
そこで、日本の企業は海外での競争をしていくうえで大きな舵切りが必要となってきます。
原子力発電所の事故はとても悲惨な結果を及ぼしました。
しかし、正しく運用されていれば、クリーンで安価であり、新しい技術を生み出す道具でした。
株式投資に置き換えてみてみましょう。
コロナショックで株価が暴落し損害がでました。
あなたは株は危険なので、辞めますか?
恐らく何かしらの反省や、投資チャンスと考え続ける人がほとんどではないでしょうか?
事故の反省を見極め、より安全に運用する事が大事なはずです。
もくじ
1.東北電力の事業
2.東北電力の強み
3.主要株価指標でみる東北電力
4.東北電力の課題と将来展望
1951年に創立し、今では東北で一番大きな規模の民間会社です。
電力小売りがメインの事業で、火力・原子力・風力・地熱・水力と様々な発電事業を行っています。
2016年から電力小売り自由化が始まり、ガスのセット売りなどで各社激しく争っていますが、東北電力は新潟から仙台に続くガスのパイプラインを子会社が所有しており、ガスも強いです。
電力販売自由化の波を受け関東にも東京ガスや東急などとタッグを組み進出しています。
東北No.1企業というブランド力があります。
東北経済連合会ではリーダーシップを発揮している会社ですので、東北でビジネスする際の関所みたいな会社です。
そのパワーと営業力にひかれてか、最近ではネットフリックスが国内初の電力会社と提携しセット売りを開始しました。
電気と何かをセットで売るが沸騰していますが、間違いなく東北地方では東北電力に軍配があがります。
燃料調達もENEOSなどの優良企業に任せていますのでちゃんとしています。
某東京の大企業とは違いますね・・・。
売上
売上は電力販売自由化のあおりなどを受けて落ち込んだけど回復してきたといった感じです。
コロナの影響を受けて、電力消費量が減ったなかでもしっかり耐えています
時価総額は4,200億円に対し、売上2,200億円ですので割安感があります。
ROE
直近はまずまずですし、もともとはとても良いパフォーマンスです。
価格競争が一服し落ち着いてくれればある程度回復するのではないでしょうか?
一株益
126円のところPERを20倍とすると2,500円程度になります。
株価840円は割安といえます。
BPS
緩やかですが右肩上がりです。
株価840円とすると丁度倍の数値を出しています。
こちらも割安です。
脱・炭素社会が進むにあたりLNGといったよりクリーンなエネルギーを調達する方向に進んでいますが高コストのエネルギーです。
かたや値上げを簡単にできないのも電力会社の悩みどころです。
その結果は利益率などに転嫁されます。
東北電力の中期計画では毎年100億円程の投資がこれらに見込まれています。
2030年を目途としておりますので、これらの投資負担が軽減されれば会社としては楽になることでしょう。
また、原子力事故の対策工事が2022年に完了し、市民に説明したうえでの運用が計画されています。
東京電力と比べ、東北電力のリーダーシップと信頼度から考えると、原子力発電所の再稼働の壁は低いものと想定されますが・・・。
本格稼働されれば、脱。炭素に大きく近づき、且つコスト削減にもつながります。
東北の電力消費量を毎年大きくする事はできないので、売上が飛躍的に伸ばす事が叶わないビジネスモデルではありますが、社会的要求からコストが強制的に上がっている業態でもあります。
これらの投資が上手くいけば、確実にこの点ではコスト改善が見込めます。
また、セット売りが一番効く確固たるポジションを持っているので、どこと組むかが売上をのばしていくうえでポイントとなってきます。
なにしろ、電線を管理しているのは東北電力です。
新規参入の電力会社がいくら電力を作ろうと、東北電力の電線網を使わないといけません。
東北電力の地位は揺らぐ事がない前提となっています。
電気は永久的に貯めておく事ができないものですから・・・。
コスト改善が行われれば、現時点で4%強の高配当がさらにアップすることが期待できます。
20年分のチャートを見ると、2012年頃と同水準まで落ち込んでおり、トップクラスに安い値となっています。
今は高配当を受取り、10年先を見て長期投資と考えるならうってつけのように感じますね。
ただ、株価は下がり傾向ですので、ナンピン買いも視野に入れた方がよさそうです。
*株式投資は自己責任です。投資判断は十分に注意して行って下さい。