天馬(7958)の株価を分析する ~創業家から脱却!今が変革の時~高配当
天馬という会社はご存じでしょうか?
この会社は私が株式投資を始めたころに、参考書片手にスクリーニングで見つけた会社です。
認知度も低く、中堅メーカーであるため、手を出し辛い銘柄ではありますが、
素人だった事もあり、恐れ知らず。興奮して買ったのを覚えています。
株価が上がる楽しみを教えてくれた銘柄の一つです。
まさにビギナーズラックですね。
![composition of detergents on table](https://i0.wp.com/kclaboratory.com/wp-content/uploads/2021/06/pexels-photo-5217889.jpeg?resize=1140%2C760&ssl=1)
目次
1.天馬のビジネスと強み
2.変革と天馬の取り組み
3.株価と主要指標
4.まとめと評価
1.天馬のビジネスと強み
天馬はプラスチック成型加工メーカーです。
自社で製品開発もしていますし、他社製品も制作しています。
自動車メーカーの下請け企業が、自動車業界が苦境に落ちると、
テレビでこぞって恨み節を述べていますが、
天馬は自社製品も販売しているので、すぐに経営が苦しくなるといったことはありません。
そもそも他社製品も様々な業界の製品に対応しているので、
例にあげたような状態にはならないでしょうが・・・。
自社製品として、取り扱っているものとして。
・収納ケース
・キッチン用品
・サニタリー
などがあり、特に収納ケースのFitsシリーズは累計販売数が1億個を超えるモンスター商品です。
ニトリともコラボしたことがあるほどです。
その他、珪藻土マットがテレビに紹介されたりと人気商品を持っています。
これらの商品は天馬のECサイトなどで購入可能です
他社製品として取り扱っているものとして。
・OA機器部品
・家電機器部品
・車両部品
・メディアケース(BRディスクなど)
ちょっとしたプラスチックパーツは自社で製作するよりも、
天馬に頼んだ方が、初期投資が抑えられ、撤退もしやすいので重宝されているのでしょう!
ホームページを見ると、アサヒビールの瓶ビール用のケースが紹介されていますが、
アサヒビールのような大企業とも取引きがあります。
他社製品の取り扱い、年平均成長率は5.9%です。
プラスチックといえば、中国などで製造されているイメージがありますよね。
天馬も例外ではなく、中国・ベトナム・タイに工場を多数所有しています。
工場ではロボットも導入されており、さらなる経費削減に努めています。
地の利を活かし、中国・インドネシアなどでは現地でもハウスウェアを中心に販売しており、
富裕層に受けているそうです。
2.変革と天馬の取り組み
![close up photo of plastic bottle](https://i0.wp.com/kclaboratory.com/wp-content/uploads/2021/06/pexels-photo-2409022.jpeg?resize=1140%2C855&ssl=1)
2017年から2019年にかけての不祥事が明るみに出ています。
ベトナムの現地子会社社員が現地の公務員に追徴課税を減額してもらうため、累計で約2,500万円の現金を渡していました。
これが一社員の判断ではなく、会社ぐるみで隠ぺいしていた事からさらに問題になっています。
天馬は4兄弟で創業、兄弟が交代で社長職についています。
三代目の四男司社長はこれからの時代、創業オーナーではいっそうの発展はみられないと予見し、
銀行出身の方に社長と引き継ぎ、その後、プロパー(従業員)の方が社長職についています。
これに伴い、司社長は名誉会長職についてます。
そんな、さなかにこの事件は明るみに出ています。
司名誉会長はここでも、これを機に、一大決心をします。
創業家一族の総退陣を提案し、株主総会を開きました。
しかし、退陣を要求された方は納得せず、今も内紛は続いています・・・。
オーナー社長の会社は強いですが、一代で築いてきただけに、後継ぎ問題はどこでも課題としてあがります。
天馬の場合は、四兄弟で立ち上げている事から、さらに事は複雑ですね。
いずれにせよ、三代目の思考は従来の後継ぎ問題を柔軟に解決する良策ではありますが、
今回のケースではすんなりとはいきませんでした。
今後、経営トップの整理がうまく行われ、ワンマン経営から、風通しのよい社風になる事が期待されます。
変わりゆく天馬ですが、プラスチック製品に対するイメージは継続の課題として取り組んでいく必要があります。
なにしろ、プラスチックは環境に悪いイメージが定着していますし、ごみ問題も度々取り上げられています。
天馬としては、このような取り組みをしているそうです。
・製品の耐久性向上により、長期間使用できるものを作る。
・廃棄プラスチックの削減(コスト削減にもつながりそうですね)
・再生プラスチックの製品化を進める
・バイオプラスチックの活用を研究(分解され土にかえる材料)
企業イメージの向上と宣伝効果が出てくるといいですね。
3.株価と主要指標
株価
株価は2,480円(6/2)です。
チャートの傾向としては、内紛などの嫌気、及び2020年については中国工場がコロナウィルスの影響で稼働していなかった事が影響したと推測されます。
![](https://i0.wp.com/kclaboratory.com/wp-content/uploads/2021/06/image.png?resize=498%2C294&ssl=1)
売上
売り上げは回復基調です。
時価総額が550億円程度であることから、売上とのギャップを比較する限りは上昇の余地ありです。
![](https://i0.wp.com/kclaboratory.com/wp-content/uploads/2021/06/image-1.png?resize=481%2C288&ssl=1)
ROE
ROEは低いですね。
他社製品の仕事が順調にふえているものの、価格競争を強いられている可能性がありますね
![](https://i0.wp.com/kclaboratory.com/wp-content/uploads/2021/06/image-2.png?resize=480%2C288&ssl=1)
一株益
上昇しているようには見えません。
平均値は120円付近でしょうか?
株価への影響を考えると、株価は適正に見えます。
![](https://i0.wp.com/kclaboratory.com/wp-content/uploads/2021/06/image-3.png?resize=481%2C289&ssl=1)
BPS
下がり傾向ですね。
株価と比較すると、見劣りはしませんが。
持ちこたえてくれる事に期待です。
![](https://i0.wp.com/kclaboratory.com/wp-content/uploads/2021/06/image-4.png?resize=480%2C288&ssl=1)
4.まとめと評価
現在の株価は適正と評価します。
但し、売上は上昇の余地が十分にあり、配当が80円と高配当である事から魅力も感じます。
株主優待でクオカードまで貰えちゃいますしね。
内紛、真っただ中ですが、会社を良くしたいという強い思いの素晴らしい社員がいるようです。
今後、内部洗浄がうまくいき、このまま伸びてくれれば、まだまだ株価の上昇が期待できます。
控えめに評価して、おすすめ度は以下の通りとします。
おすすめ度:★★☆☆☆(★5つが最高)
*株式投資は自己責任です。投資判断は注意して行って下さい。