セリア(2782)の株価を分析する~バリュー投資のお手本銘柄 業界一高ROE~
もくじ
1.セリアとはどのような会社か?
2.セリアの強み
3.主要株価指標でみるセリア
4.セリアの将来展望とまとめ
設立は1987年と30年以上の歴史があります。
私がセリアを認知したのは2014年頃ですが、100円ショップという業態が広くれ渡ったのは、2000年前後ではないでしょか?
それを考えると初期の頃からこの業態に参入しています。
売上高はダイソーに続き、業界第二位です。
上場企業としては一番手のポジションです。
事業としては、大きくわけて4つ!
・店舗開発
・商品開発
・店舗オペレーション
・流通システム
現時点で1,600店舗以上ありますが、直営店は140店舗程です。
よって、実質セリアというお店の商品と運営サービスのノウハウを売っている事になりますね。
私はセリアの存在を妻から知らされました。
100円ショップだけど他のお店と違ってデザインがオシャレで生活になじむ商品があるとのことでした。
確かに、ダイソーはなんでもそろうけどオシャレという観点では利用していなかったですね・・・。
ちなみに私はダイソーで買った風呂桶を20年使っていますが、未だに色落ちや割れといった不具合はありません。
それだけ、当時の物価が安かったのがうかがえますが・・・。
しかし・・・!
そこが、セリアの強みなのです!!
100円ショップは商品を100円で売るという大前提のルールがあります。
これに反して、材料費は軒並み高騰・・・。
150円にしたら、他の100円ショップにお客さんが流れちゃいますね。
ダイソーは上場していないので、非公表ですが。
業界全体のROEの平均は1.5%程です。
第3位と第4位のキャン★ドゥとワッツですらこの水準です。
セリアはといいますと・・・。
10%超えです!!!
なぜこれだけの差が生まれるのでしょうか??
その理由はPOSシステムにあります。
POSシステムとは商品購入の際にバーコードを読み込ませていますが、
この際にどういった商品がどういったお客さんがどのようなタイミングでどの地域で買っているか?
そういった情報を蓄積できるシステムの事をいいます。
今では常識となっていますが、セリアはこれを業界で先駆けて導入し、尚且つ独自のものを作り上げています。
POSシステムはどういった風の活用されているのでしょうか?
リアルタイムで商品の在庫を管理し欠品を減らす事により機械損失を減らす。
セリアの商品の90%はメーカーとの共同開発ですが、メーカーにPOSの情報を提供します。
お客さんがどういった商品を必要とし、どれくらい売れているかをメーカーに把握してもらう事により過剰在庫を押さえます。
過剰在庫がおさえられれば商品にかかる原価率も抑えられます。
ダイソーの商品開発の現場がテレビで紹介されていたのを目にした事があります。
凄腕バイヤーが商品の原価率を1円単位で抑えるように、あんに強制していました。
ダイソーで商品が沢山並べば、その会社も利益になるので必死に原価率をしぼります。
その結果どうなるでしょうか?
安くて便利な商品を手にする事ができますが、商品の品質は落ちるはずです。
ダイソーに行くと、便利で安い商品が沢山並んでいるのでワクワクしますが・・・。
セリアは無駄に品数をおかず、売れる商品だけをならべています。
商品の回転率が高いの、無駄な費用が削減でき、魅力的な商品だけが並んでいる状態なので、お店のデザインも相似てあがります!
セリアの商品の特徴として、値段の割にオシャレという単語がつきます。
ネット社会のこの世の中、定価格で見栄えのよい商品はSNSでも印象が良く、
購入者が無料で宣伝してくれます。
以前、私が中華料理屋でランチをしていた時の事。
隣で食事をしていた、ママ友コミュニティの一人が自転車で30分いったところにセリアがあるという事を誇らしげに話していました。
しかし、歩いて5分の位置にダイソーもキャン★ドゥもあります。
少し、苦労しても行きたいのがセリアというイメージが定着しています。
確実に他の100円ショップとの差別化に成功しています!!
100円ショップは市民の見方です。
毎日買い物に行っても財布がさほど痛みませんね!
そういった理由もあり集客効果が期待されています。
ショッピングモールはここに注目し、必ずテナントに入れたいと考えます。
ただし・・ただし・・・100円ルールと原価率の高騰は否めません。
ここで、ROEの高さが効いてきます。
各社、切り詰めて100円をキープしているわけなので、1.5%程度のROEであればすぐにでも赤字に転落します。
セリアはまだまだ余裕がるので、ROEが下がってきてもまだまだ余裕があるわけです。
他社が赤字に陥り、閉店したところが、セリアの商機です!!
100円ショップ市場は1兆円規模の市場であり、その半分はダイソーが占めています。
セリアは20%程度ですので、その他の企業を食っていく必要があります。
POSシステムだけヒットしたと言えば、それは偶然の産物の可能性を疑いたくなるのが投資家の心理です。
セリアは従業員のシフト管理にも独自開発のデータ管理システムを用いています。
とにかく、データ集積システムが大好きな会社というのが分かります。
その結果、有利子負債0の優良経営でここまで成績をだしています。
売上
とても美しく上昇しています。
ROE
物価の上昇が響き、原価率が上がっているので下降傾向です。
しかし、現時点でも高ROEといえます。
がまん比べに勝つだけの余力がありますね
一株益
緩やかになってきていますが、上昇傾向です。
PER20倍を想定すると3,000円程ですので、現時点の4,000円を超えた株価は少し割高です。
BPS
株価の4分の1と低いですが、きれいに伸びています。
20%づつ伸びていますね。
数値で経営スタイルを見る限り、成長株であることはまちがいありませんし、今後の国内市場での競争を間違いなく勝ち抜くだけの力があります。
個人的にはその先がきになるところです。
海外出店ができるのか?
セリアの商品が海外からの旅行者の目につきSNSで大ヒットというシナリオが魅力的ですが、
海外で戦う上で原価率が重要なビジネスもでるですので、輸送コストが鍵となってきます。
メーカーとの二人三脚の開発が海外でどこまで通用するのか?
海外に工場を持っている日系企業なんかとのタッグが現実的でしょうか?
いずれにせよ5年から10年くらいの目で持ちたい銘柄ではあります。
欲をいうと2020年頃の3,000円前半に下がったタイミングが適正価格だったので、この辺で手を付けたかったですね。
*株式投資は自己責任です。投資判断は十分に注意して行って下さい。