ランサーズ(4484)の株価を分析する~業界最多と登録者数 シェア争いで競合に勝てるか?~
もくじ
1.ランサーズの事業
2.ランサーズのライバル企業
3.ランサーズの仕組みと強み
4.主要株価指標でみるランサーズ
5.ランサーズの将来展望とまとめ
個人と企業をマッチングする会社です。
企業が、
・専門スキルを持った社員がいないんだよな・・・
・急に仕事が発生したけど、人手が足りない!
・ホームページ作りたいけど、アイディアがな・・・
といった時に、ランサーズを利用すれば専門スキルを持った会員が、これらの悩みを解決します。
専門業者に頼めば信頼性はあるものの、仕事の受注までに時間がかかったり、コストが高いのが一般的です。
ランサーズであれば、スピードマッチングでスピード納品・専門業者より安くサービスを受けられます。
顧客・協力企業にはKDDI、YAHOO!JAPAN、NTT DATA、日本気象協会などの有名企業がずらり!!
受けられる仕事のジャンルも277あります。
ランサーズのライバル企業としては、クラウドワークスが上げられます。
売上は追い付き追い越せを繰り返しており、現時点ではクラウドワークスがランサーズの3倍の売上を上げています。
一般的にフリーランスや副業目的の人がランサーズやクラウドワークスのサービスに登録しています。
どちらに登録しよう?と悩むところですが・・・両方登録してしまえばいいのです!
ランサーズとクラウドワークスの違いとして、クラウドワークスの方が仕事の数が多いというのが一般的な理解です。
仕事が多いということは、大きな額の報酬も多そうですね!
登録者は高額報酬が欲しいので、高額案件の引き合いが強くなります。
そのため、両方のサイトに登録する事により、高額案件にありつく可能性をあげようとします。
その他、ランサーズ、クラウドワークスが徴収する手数料などにほとんど差はなく、ランサーズのいいところは登録者に対する対応(サービス)がよいというのがうりとなっています。
いずれにせよ、ランサーズとしては高額案件を一杯受注し、手数料収入をあげる。
高額案件を集める事により、質のよい会員を増やす事が売上を上げるため条件となります。
ビジネス形態として、四つのサービスを行っています。
① Lancers : フリーランスの会員に直接業務発注
②Lancers agent : 常駐のフリーランス紹介
*がっちり、看板業務をしてブランド力を売るエリート集団ですね。
③Lancers assistant : オンラインチーム業務代行
④MENTA : オンライン子弟サービス
*Lancersの人達向けの教育サービスです。
Lancersに安く、早く仕事を発注しても、その質が気になるという方は、②や③といった様々なサービスが受けられるというのは初心者には優しいですね。
また、Lancersにはランクがあり、信頼性が分かり易いというのも助かります。
とはいえ・・・信頼性が低い会員の質を上げていく事がランサーズという会社が大きくなってくるうえで重要です!
そこで登場するのはMENTAというサービスです。
MENTAのサービスを受ければ、副業目的でとりあえず登録した人。
登録はしているけど、あまりうまくいっていない人も安心です。
さらに、ランサーズもこのサービスにより、教育料が手に入っちゃいます。
クラウドワークサービスはテレワークが進む昨今、需要がさらに加速しており、今後の市場の伸びが期待されます。
MENTAに投資することにより、質の高いサービスを企業に提供する事ができ、企業もさらに高額案件をランサーズにお願いしようか?という構図が出来上がると期待でき。
現状、これらのサービス強化の影響がランサーズの赤字の原因となっています。
少し話しがそれますが・・・ふとまずいぞ!とも感じました。
なぜなら、ランサーズのフリーランス会員はクラウドワークスの会員でもあるので、競合のサービスの質もあがるのでは?と・・・。
売上
売上は急激に伸びています。
アウトソーシングに日本の企業が慣れてきた様子がうかがえますね。
ROE
ROEは現時点では最低です・・・。
なんの参考にもなりません。
IT系企業特有の初期投資段階です。
ライバルがいないとおもいきや、強敵がいるので不安ですね。
一株益
実のところ黒字にするだけの潜在能力はあるようです。
2016~2018年までは認知度を上げるための広告費が影響しており、2019年にぐっと回復し、2021年の数値がここにはないですがかろうじて黒字となっていいます。
2022年はMENTAなどへの投資費用がかさみ赤字に転落する予定です。
BPS
株価が580円をつけており、PBRは5倍となりますので良くはないですね・・・。
企業体力的にはすぐに危うくなるといった雰囲気はないですが・・・。
数値的にはクラウドワークスに差を付けられ始めていますが・・・。
正直、フリーランスの方々は両方のサービスのいいところどりをしているといった感じです。
つまりは、双方の会社がどういった企業の案件を持っているかというところで差別化が図れるため、企業規模で差は付くものの値下げ競争がない限りはすみ分けができるのではないでしょうか?
ついては現状の方法では国内企業にどれだけ営業をかけ、魅力的な案件を受注するかにかかっています。
そこで考えられるのは・・・
・優秀なフリーランスの囲い込み
・海外案件の発掘(海外との時差を使った、業務の受注や、日本ならではのサービス)
・フリーランスからの高額職務へのヘッドハンティングサービス
・契約型フリーランス(新入社員を雇うのと比べれば、教育費削減。期間雇用が容易)
・研修、講師派遣サービスなど付帯サービスをつけ、企業案件の囲い込み
まだまだ、金脈が眠っていそうなサービスですね。
働き方改革で登録者の増加もまだま未知数です。
株価はこれらに反してぐっと下がってきています。
当面はクラウドワークスとのバランス加減で株価の入れ替わりがありそうですので、両方の株価に注視したいところです。
*投資判断は自己責任です。投資判断は十分に注意して行って下さい。