グローバルキッズCOMPANY(6189)の株価を分析する~待機児童の救世主となり保育園ビジネスのトップランナーとなるか?~

当ブログの管理者も2児の父親です。

子供が生まれてすぐに、保育園に預けようとしましたが定員オーバーで受け入れ拒否をされた経験があります。

今でこそ無償化になり、家計的には子供を預けやすそうになったかと思いますが・・・。

ただでさえ保育園が足りていない所に、無償なら預けたいという人が殺到するわけですので、潜在的な待機児童需要を増やしたにすぎません。

そもそも、無償化の恩恵に預かるには共働きが条件であったりするため効率が悪いですね。

裕福な方は会社を経営しているので、妻を事務員なんかにして節税対策がてらのおまけに無償化の恩恵を受けられちゃいますね。

なにはともあれ、保育園の経営者にとってはビジネスチャンスであるので今日はグローバルキッズを分析します。

もくじ

1.グローバルキッズの事業

2.グローバルキッズの強み

3.待機児童問題の原因

4.グローバルキッズの離職率

5.主要株価指標にみるグローバルキッズ

6.グローバルキッズの将来展望とまとめ

1.グローバルキッズの事業

2006年より保育園を運営し、2015年からグローバルキッズとしての活動を始めています。

保育所の運営を主な事業とする子会社の経営管理、およびそれに付帯する業務等を行っています。

具体的には保育園や児童館などを運営しています。

保育園といっても昨今、カテゴリーが複雑になっています。

グローバルキッズのターゲットは、

・認可保育所

・独立認定保育所 : 自治体基準を満たしたもの

・企業主導型保育所 : 企業向け助成制度に基ずくもの

というように、補助金が出る保育園がターゲットです。

その他、キャリアップ補助金が出たりと、行政からの補助をがっちり貰えるカテゴリーです。

2.グローバルキッズの強み

保育料無償化ですので、保育所利用者はほぼほぼ無料で保育所を利用できます。

待機児童が問題になっているように、お客様はあふれています。

例え近くに人気保育所があろうと、保育所の供給過剰がなければ園児を確保できます。

待機児童は特に首都圏で問題となっており、グローバルキッズは神奈川、東京を中心に展開しています。

サイトを見ると保育園の開発できる土地を募集しており、その条件に駅徒歩15分というのがあります。

首都圏で徒歩15分であれば、需要は高い事が容易に想像できます。

また、保育士さん不足が問題となっていますが、176施設があるので、保育士の融通が近距離の施設どうしで行う事ができます。

3.待機児童問題の原因

待機児童は現時点で高止まりしてはいるものの、減少の傾向はまだまだ緩やかです。

需要が高くビジネスチャンスであるはずなのに、問題解決といかない理由はなんでしょうか?

1) 保育士不足

拘束時間・労働時間が長く労働内容が悪いのにも関わらず賃金が安い事がベースにありますね。

保育士の成りては女性が多いですが、賃金を安い事を考えると結婚などを目途に辞める人も多いと考えられます。

就職募集の口コミなんかを見ているとパワハラやブラックといったキーワードが並びます。

皆さん、気にして検索しているんですね・・・。

2) 自宅付近に利用できる保育所がない

共働きなどが条件となっているため、保育所は自宅から近いところがよいですよね。

すると人口密集地域は熾烈な競争となります。

そもそも保育所はそこそこ広い土地が必要ですので、首都圏で保育所をつくるには初期投資がかかります。

3) 年齢のミスマッチ

1歳の子供を預けたいのに、1歳の募集はなく、5歳ならあるといった需要と供給のミスマッチが起きています。

私の子供もこれに該当しました・・・。

4)共働き世代が増加

今まで有料だから預けていなかった専業主婦家庭が、無料になり自分が働けば収入アップになるという一挙両得を狙い、保育園の需要が高まり、本来預けたかった人が預けられなくなった。

グローバルキッズは今後、継続して長期に渡り成長していくには、これらのミスマッチを解決していく必要があります。

4.グローバルキッズの離職率

国から補助金が出た結果、利用者の金銭的な利便性は向上しましたが、保育士の待遇改善という目線ではなにも解決はなされていません。

お金の出どころが保育園利用者から、国に代わっただけであり、保育士の賃金をあげるには収益を上げる必要がありますが、保育士一人当たりが対応できる園児の数もルールで決まっていますし、保育園の利用料を親後さんに請求しようものなら、他の園と差が出てしまい、園児の囲い込みが上手くいきません。

つまりは、保育士の賃金の上限を決めてしまい、且つ、安く利用できるようなシステムとしてしまったため、経営者の懐は温まるだけのシステムとなってしまいました。

カオナビのサイトでグローバルキッズの記事を見つけました。

2020年に記事でしたが、16%あった離職率が10%以下となったとありました。

離職率の平均は公営の保育所で7.1%。私営の保育所で12.0%となっているそうです。

グローバルキッズは私営ですので、10%であればまずまず優秀な部類といえますね。

しかし、そもそも16%あったというのが恐ろしいです。

6人に1人が辞めていく計算ですね。

四季報でも離職率が課題とまだ書いてあり、気になって口コミを少しみてみましたが、

先生がころころ異動になることを書かれている父兄や、若い保育士さんばかりで、ヘルプに行った園でパワハラを受けて辛いので辞めましたといった記事がパラパラ見受けられます。

グローバルキッズの保育士は3,700名以上もいますので、こういった意見も必ず出てくるはずです。

一概には信用してはいけませんが、ベテランの減少による指導者層の過度に負荷がかかり、若手保育士にそのストレスの一部がきている可能性はありそうです。

保育士さんは忙しいので、なんとも言えない問題です・・・。

グローバルキッズでは離職率を改善するべく、カオナビの利用による保育士さんの待遇改善。

誕生日休暇の付与や海外研修などによるキャリアップなどの魅力的な福利厚生を運用就労年数の向上に努めているそうです。

5.主要株価指標にみるグローバルキッズ

売上

保育所施設を積極展開していますので、売上も比例して伸びています。

素晴らしいです。

ROE

ROEはジグザグしていて不安定ですが、全体的に見ると素晴らしい数値です。

一株益

こちらもジグザグしています。

施設を急ピッチで増やしているため、園児が集まるまでの間の費用が一部赤字となっているところもあり、全体的に下り傾向です。

保育士の数と保育所の数のバランスが整えば魅力的な数値になるのではないでしょうか?

現在の株価は770円です。

仮にPERを20倍と想定し、一番低い47.7円で計算しても954円ですので割安感がありますね。

BPS

BPSは右肩上がりです。

こちらも株価770円を上回る882.8円となっているので割安感があります。

6.グローバルキッズの将来展望とまとめ

保育所を積極展開しつつ、保育士さんをいかに集めるかが課題となっていますね。

かたや、制度上のトリックで安い人件費で高需要の業界をきり開く事ができるというビッグチャンスとなっています。

ある程度、待機児童問題が改善されるようになれば、今度は保育士の獲得競争がさらに熾烈になるので、このステージではある程度の賃金面での待遇改善が図られるのではないでしょうか?

国もなんらかの方針転換を図る必要が既にあると感じます。

国民に対し緩めた制度を厳しくすると、選挙での立場を悪くするため、まだまだ先の未来の話となりそうですが、この場合保育所経営はなんらかの付加価値を付け利用者から追加料金を取れるビジネスとしなければ生き残りが難しくなります。

子を持つ親としてはあまり喜べる状況ではありませんが、投資を検討するうえでは、グローバルキッズの事業モデルはとても有効であり、今後サービスの向上も含め伸びてくれる事を期待したいところですね。

多くの子供達と保育士の方々が幸せになる事を願い、本日の投稿を終わりとします。

*株式投資は自己責任です。投資判断は十分に注意して行って下さい。

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