ゆうちょ銀行(7182)の株価分析~預金残高国内トップ 高配当銘柄~
もくじ
1.ゆうちょ銀行の事業
2.ゆうちょ銀行のポジション
3.主要株価指標でみるゆうちょ銀行
4.ゆうちょ銀行の将来展望とまとめ
名前の通り銀行行を行っていますが、特殊なのは日本郵政グループという事です。
日本郵政といえば、郵便事業やかんぽ生命なんかも属しています。
日本各地に窓口を持っており、24,000店舗もあります。
ゆうちょ銀行の収入減はお金の出金・入金の手数料や、国債、地方債、社債、外国証券といった資産運用による収入、投資信託や他行の住宅ローン取り扱い業務によるものがあります。
一般的な銀行のように企業にお金を貸出たりはしていません。
預金残高(2021年3月末)の額では、189兆円で国内トップです。
その次は三菱UFJ銀行182兆円、三井住友銀行134兆円、みずほ銀行128兆円、三井住友信託銀行33兆円と続きます。
三菱UFJ銀行が肩を並べていますが、その他の銀行を大きく引き離しています。
1億2,000万口座が開設されており、日本人1人につき1口座といった感じです。
しかし、収益では貸金業ができないこともあり、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行のメガバンクに続く第4位のポジションです。
メガバンクは海外進出していて、ROEも5%前後に対し、ゆうちょ銀行は国内のみでROEは2%台です。
投資効率が悪いため、株価がさえません。
そこで、投資信託などの商品やカードの利用を積極的にうながそうとしましたが・・・不正・不祥事が次々と発覚し信用失墜していますね。
経常収益
じぐざぐしていていますが、方向的には下りですね。
ROE
2%後半を安定飛行しています。
資産運用などによる配当収益が主ですので、この程度なのはうなずけます。
元々、巨額の預金残高がありますので、細く長くでよいのではないでしょうか?
一株益
一株益も横ばいで平均すると80円付近です。
PERを20倍とみると、1,600円は期待できそうです。
割安ですね。
BPS
じわりじわりと下がっているのが気になりますが、株価の3倍あります。
とてもよい数値です!
現時点のビジネスモデルでは経常収益のアップのしなりおは期待できません。
預金残高を増やし続け、それらを原資に運用資産を増やす戦略しかないからです。
ゆうちょ銀行の武器は巨額な預金残高と受付窓口の数です。
楽天との提携により、窓口の有効活用(モバイル申請カウンターや物流)などが必要です。
素晴らしいビジネスパートナーを見つける事が課題となるでしょう。
片や銀行業界は窓口業務を減らしていこうという方向で動いています。
これを考えると豊富なゆうちょの窓口は足かせでしかありません。
配当収益が主であることを考えると利益率を上げるには、こういった窓口などにかける経費を減らしていく必要があるともいえます。
郵便業務との折り合いもあるので、なかなか撤退が行えないのも事実でしょう。
そこはおもいきって舵を切るのか、時代に逆行し豊富な人材を活かし、業務を増やす事や他業種との協業などが有効になってきます。
豊富な資金の方でいえば、地方銀行が多すぎるため、業界再編の波が押し寄せてきています。
日本各地にネットワークを持っているゆうちょ銀行はこういった銀行にとってエンジェルとなれる可能性があります。
うまくこれらの口座を取り込むことができれば益々国内トップの牙城が広がります。
これらの事由から個人的には堅実に経営を行うことができれば勝機はあると見ています。
配当は年間50円出しており、利回り5%越えしています。
信用失墜によりどんどん株価が落ちてきている事に不安も感じますが、常に買い時にみえてしまう利率ですね。
*株式投資は自己責任です。投資判断は十分に注意して行って下さい。